強いプロダクトとチームがあっても、後になって現れる構造的リスクが隠れていることがあります。顧客集中をはじめとする「1つ間違えば会社が壊れる」力学は、その中でもっとも一般的なものです。見抜き方と、そのときどうすべきかを解説します。
顧客集中
リスク: 1社または少数の顧客が売上の大きな割合を占める。そのうち1社の喪失や遅延で計画が吹き飛ぶ。
見るべきもの: 上位1〜3社の売上またはパイプラインに占める割合。契約期間と更新時期。「リファレンス」顧客が唯一の有料顧客でもあるかどうか。
危険域: 1社で30〜40%超、または上位3社で50〜60%超で、今後12〜18か月に分散する明確な道筋がない。
対応: 自然に分散すると思い込まない。現実的な計画とマイルストーンを求める。それでも投資したいなら、リスクを評価額または条件(マイルストーン、情報請求権など)に織り込む。
単一チャネルまたは単一の意思決定者
リスク: すべての売上や成長が1つのチャネル(1つのプラットフォーム、1つのパートナーなど)または1つの関係(1人の買い手、1人のチャンピオンなど)に依存している。それがなくなれば成長が止まる。
見るべきもの: 「当社の成長は……から来ています」——答えが1つなら掘り下げる。「当社の営業の動きは……」「当社の主要パートナーは……」も同様。
危険域: パイプラインに第2のチャネルや第2のチャンピオンの証拠がない。主要なものが消えたらどうするか、創業者が述べられない。
対応: 分散計画とタイムラインを求める。第2の道筋の証明があるまで、より高いリスクとして扱う。
キーパーソン依存
リスク: 1人(多くはCEO)だけが販売、資金調達、重要な意思決定を行える。後継者も代替もいない。
見るべきもの: 重要な顧客・投資家との会話に誰が同席しているか。CEOがバスに轢かれたら(あるいは去ったら)、誰が会社を運営するか。
危険域: 創業者がエンタープライズ営業をすべて自分で行っていると認める。あるいは、すべての重要な関係が1人に集中し、それをスケールする計画がない。
対応: 依存を減らす計画(採用、プロセス、権限委譲)を理解する。計画がなければ、リスクと支援(取締役会がベンチ強化に注力するなど)に織り込む。
技術面・運営面の単一障害点
リスク: 1つのベンダー、1つの連携、1つの技術、1つの拠点が不可欠。それがなくなるか壊れると、事業を運営も出荷もできない。
見るべきもの: 「当社は……で動いています」「当社は……に依存しています」「Xがなくなったら当社は……」。主要ベンダーが条件を変えたり、重要な連携が廃止されたりしたらどうなるかを尋ねる。
危険域: バックアップも移行経路もなく、創業者が考え抜いていない。
対応: 継続計画または移行計画を求める。答えが「何とかします」なら、リスクとして扱い、記録する。
資本政策・ガバナンスの時限爆弾
リスク: 乱雑なキャップテーブル、奇妙な優先権、あるいは将来のラウンドを阻んだり不整合を生んだりするガバナンス。デッキには必ずしも見えない。
見るべきもの: キャップテーブルに誰がいるか、どんな優先権があるか、次のラウンドを驚かせうるサイドレターやコミットメントがあるか。
危険域: 創業者がキャップテーブルについて曖昧または防御的。あるいは「後で整理します」という言葉を聞く。
対応: タームシートの前に全体像を把握する。「後で直します」は、しばしば「あなたのお金とあなたのラウンドで直します」を意味する。
構造的リスクは常にディールキラーとは限りません。しかし、名指しされ、規模を測られ、緩和されるか価格に織り込まれるべきです。最良の投資家は、それを早期に見抜き、送金後に発見するのではなく意識的に判断します。

